伝統的工芸品金沢仏壇
金沢仏壇は、1976年(昭和51年)6月2日に「伝統的工芸品」の指定を受けました。伝統的工芸品金沢仏壇として指定を受けるには定められた基準をクリアして指定を受けてから、伝統証紙をつける事ができます。
伝統的工芸品とは
優れた日本の伝統産業を後世へ継承するための基準。経済産業大臣が指定した条件を満たし、産地検査に合格した製品には伝統マーク入りの伝統証紙が貼られます。
金沢仏壇に定められた基準
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地の骨組にはアオモリヒバ(クサマキ)、板物にはイチョウなどを用いる。
※この素材は耐久性に優れ、長期間の使用が可能。 -
各部分は、ほぞ組みによって製作する。これによって堅牢な造りとなり、加工作業、加飾作業、修理洗浄がしやすくなる。
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上戸、障子の取り付けの基点部分は外側に開く型式の回転軸にする。上戸は、すべて帯・輪入りにする。障子は上・中・下腰輪入(上腰輪の省略も可)とする。
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宮殿の組み物のうち、下屋根は桝を五重組(もしくは四重組)にする。上屋根は二重~三重に組み立てる。組み物は地板の穴に差し込む。
※宮殿自体に高さが出るため、全容が見渡しやすくなる。 -
塗り加工のうち、下地は主に漆を用いた錆下地とする。大半の部分に中塗りを施す。上塗りには天然漆を使用する。
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見付板、左右の横板、戸板などは呂色仕上げとする。上戸表は紅透塗呂色とする。すべての輪類には錆紐を引く。
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前柱、段縁、中柱、風呂の戸、引出し、ハ等のすべてに蒔絵を施す。
※金沢仏壇に用いられる蒔絵の技術水準は極めて高いことで知られる。 -
蒔絵は主に磨き蒔絵、高蒔絵とする。この二つは渋く上品な美しさが特徴。変色に強く、拭いても禿げにくいとされる。
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彫刻を施す部分のうち、障子の上腰、中腰、下腰及び前指はすべて塗り加工と木地彫(箔押しをせず木肌そのままの味を生かす方法)にする。積み重ね方式ではなく、一切の接着剤を使用しない、一枚板の彫りにする。
※上記により、仏壇全体に渋さと上品さを加える。 -
障子金具には枝を施し、外周の輪かく等は面を取る。
※通常は銅合金又は銅板を加工する。高級品の障子金具には銀を使用する。 -
障子の組子には紗(本紗生地に金色糸で刺繍ハを施したものが一般的)を張る。図柄は唐草、または散り蓮華にする。